銀波荘のオフィスを視察する大村知事(中央)
愛知県蒲郡市の旅館「平野屋」と「旬景浪漫銀波荘」は、一部客室を改装し、2023年10月から企業向けサテライトオフィスとしての貸し出しを始めた。
県の「宿泊事業者高付加価値化促進事業費補助金」を活用し、既存客室を和のテイストを残したデザインオフィスとしてリノベーションした。温泉やサウナでリフレッシュできるなど、温泉宿ならではの魅力を打ち出し、入居企業を全国から呼び込む。入居金額は月額30万円(税別)から。
平野屋では三河湾の青色を基調にした「海」、蒲郡みかんの橙色ベースの「柑」、窓から見える山々の緑色を取り入れた「山」という3つのオフィスを用意。メインのワークスペースに加え、ソファベンチやカウンター、小上がりなどがあり、入居企業の個性を生かせる空間だ。
一方、銀波荘は「漣」や「渚」など、オーシャンビューにちなみ命名した5室を貸し出す。さりげないコミュニケーションが生まれる「シェアコーナー」や風景を楽しみ尽くす大きな「パノラマビューデスク」、空間に上質な質感と機能性を生み出す「ライティングウォール」などを取り入れた。
9月30日(土)には、大村秀章愛知県知事が両館を視察した。大村知事は「旅館の良いところを生かしながら、オフィスの需要も取り込む、非常に良い取り組み。これを成功事例にして、ぜひ愛知県全域に広げたい」と期待を寄せた。